「インターステラー」ほどメンドクサイ映画は珍しい、だがそれがいい。

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映画インターステラーの感想や評価についてはインターネットに大量の情報がありまして、皆さん一言気持ちをぶつけたくなる映画… つまりは影響力のある映画だと思っています。

では影響力のある映画だから良い映画か?と聞かれればそれはまた別の話。

私としてはインターステラーは良い映画であり、人として….いや地球に存在する知的生命体として見るべき映画であると思っています。

しかし「覚悟を決める」要素の強い映画であることを考えると全ての人に…とも言い切れない部分があります。

他にも宗教的な側面から映画インターステラーを考える、政治的な側面から…もあり、「人の覚悟」の部分だけ抜き取ってしまうとテロ組織に属するような人には見てほしくないと思ったり…

映画インターステラーは難しい映画といった印象以上に奥が深い、深すぎるのです…

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映画インターステラーの大ざっぱなあらすじ

インターステラーは全体的なお話だけで言えば実に単純なあらすじ…ってのがコノ映画唯一の入りやすい部分です。

  • 地球がダメになりつつある
  • このままでは人類が地球に住めなくなる
  • 実はチョイ前から人類移住可能な惑星を探してる
  • 今回、人類が移住可能っぽい惑星に選ばれた宇宙船乗組員を送り込んで調査する
  • この調査はマジ重要で「得るもの無し」だと人類ガチでヤバい
  • 壮大な惑星探索の旅が始まる
  • 色々と問題が起きまくる、地球もやばくなる
  • 時間の概念について考えさせられる
  • 重力って何?となる
  • 地球人よりも優れた生命体の存在を匂わせる
  • 再び時間と重力って何?となる
  • 何だかんだ言って人類は滅亡しない

映画のジャンルとしてはSF映画でありパニック映画であり愛であり人類の存亡系映画であり…ってな超てんこ盛り映画なので三時間近くある映画。

全体の流れだけをサラッと作った映画ならば3時間近くも必要ない映画とも言えるインターステラー、

そこに相対性理論や量子力学が入り込み、そんな言葉や数字を見るのもイヤになるような理論を映像化させて鑑賞者に分からせるような流れがあるので3時間近くもかかってしまう映画。

インターステラーの面白いというか凄いというか…いや、はっきり言えば堂々とした態度の部分と申しましょうか、難しい理論を組み合わせた一つの理論を映画で堂々と表現したところ。

これは重力理論のことで、この先も人類が地球で繁栄して技術も進んだ時に多分ガチで考えなければならない理論であり、その理論の確立とは神の領域に触れる理論のように思えます。

それを堂々たる態度で表現した映画とは「もしかすると間違っているかもしれないけどよくやった」と評価できる映画ではないでしょうか。

インターステラーにおける「愛」をテーマにした部分

SF映画で〇〇理論なんて言っちゃう映画なのに数値化できない愛をテーマにしている部分が多いにあるのも映画インターステラーの特徴。

SF映画なのに「愛とは何?」について突っ込んでゆくのです。

私の感想では映画インターステラーにおける愛とは大切な人を守るための「モノ」となる… ってそうなんです、数値化出来ないはずの愛。

しかし愛の持つ力が行動力となり、その行動力には物事を前に進める力が存在する、難しい理論を解く力が存在する…

愛の持つ「力」、例えばそこには重力のよに力が存在、それを地球人よりも優れた生命体(未来の人類かもしれない)は分かっている雰囲気。

愛に力が存在するのであれば何らかの公式になるんじゃね?を匂わせる要素… みたいな感じをうけました。

「思考は実現化する」とても言いましょうか、それとも人間の肉体から先にあるかもしれない精神世界とでもいいましょうか、

オバケとか魂とかデータとしての生命体とか… 

もはや神の領域、そんなの創造主に聞かねえと分かんねえよ!と言いたくなるようなお話…. ってここが問題になる一つのポイントです。

要は創造主とか神って存在がボンヤリと頭の中にが出てくる、それでいてSF映画となれば宗教的な考え方が絡んできて当然の話、「宗教と科学」ってやつ。

インターステラーって観る前から既にちょっとメンドクサイですね!

文字でみてもよく分かんない理論を映像化した部分

「ブラックホール」は常識的なワード、昔から言われているのはブラックホールに入ったら出てこれない、光もでてこれない、吸いこまれる…ってやつ。

でも数値や公式を用いてのブラックホールの説明するのは普通の人には無理、それに現段階の科学力ではブラックホールに接近することが出来ないから調査する事も出来ません。

そのようなボンヤリとした一般的イメージのブラックホールと、頭の良い科学者が数式やグラフで表現するイメージのブラックホールを合体させて映像として見せる、可能な限り分かりやすく見せる、しかも専門的要素のある裏付けを映画のストーリー上で行う…

これは普通に生活していれば知らなくても問題ない知識、知ったとして誰かに熱く語るにしても語る相手によりますよ~な知識です。

しかし人間が普通にもつ疑問、「なぜ?」「なんで?」に関わる部分とも言える話。

  • なぜブラックホールは存在するの?
  • ブラックホールがあるとどうなるの?
  • そもそもブラックホールって何なの?

映画インターステラーはこのような純粋な「なぜ?」に対してわりと真剣に答える映画、それも映像を使って表現しています。

このようなブラックホールについての「なぜ?」に対する答え方は大ざっぱに言えば二つあります。

一つは現人類の科学力を持ってして可能な限り答える、しかし現在の科学力では本物のブラックホールを使っての実験は出来ないからやっぱり理論上の答え。

もう一つは神や創造主を用いての答え方、これはある意味究極とも言える答えになり説得力があるとも言えるのだけれど、

それには神や創造主の存在が必要になり、これを科学的に説明するにはブラックホールの「なぜ?」を答えるよりも難しい。

正しく「宗教と科学」に関わる部分のお話です。

映画インターステラー的には科学的にブラックホールを捉えた描写にはなるのですが、人間の上位の生命体の存在を匂わせる部分、そして人類(とくに主人公)に関与しているであろう描写があるのでここが少々宗教的になるのです。

この「宗教と科学」のバランスを上手にブレンドしているのも映画インターステラーの特徴というか見どころというか、メンドクサイというか…です。

例えば映画「ガーディアンズオブギャラクシー」なんかもSF映画でその後アベンジャーズシリーズに繋がってSF要素が強い映画なんだけど「天界人」といった創造主の存在を描いている、存在するのが前提としてしいる世界観の映画の場合は宗教と科学についての描写はあまり必要でもなく「なぜ?」も必要ない…. つまりメンドクサクない映画になります。

パニック映画の要素を含んだ部分

パニック映画は「もしこんなことになったらどうしよう…」といった描写で観ている人を巻き込む、映画の世界の住人の一人にさせる要素があります。

同じSF映画である「アルマゲドン」や「インディペンデンスデイ」などが分かりやすく、もし巨大隕石が地球に接近してきたらどうしよう?もしエイリアンが地球を征服しにやってきたらどうしよう?

映画だけどもしも現実にそれが起きれば他人事ではありません。

そんな「もしも」をリアルに考えさせてしまうのがパニック映画の面白いところ、映画鑑賞者の想像力を利用して地球を救うために頑張る主人公を応援しちゃう。

ではインターステラーはどうか?となればパニック映画のような描写は少ないものの、映画鑑賞者にしっかりとパニック映画の要素を植え付けます。

それが「このままでは地球がダメになる」「人類が地球に住めなくなる」「食量が…」「地球環境がぁ…」といった部分。

派手な演出はないけどこのままじゃ人類ダメかもね…ってな暗い気持ちを映画鑑賞者に植え付けるのです。

これにより映画ではあったとしても他人事じゃない、確かに地球温暖化とかあるし人口問題とかエネルギー問題とかあるし….とインターステラーの世界観の住人である、同じ問題を抱える一人の人間である…のようなパニック映画的誘導があります。

そこから人類の移住先を見つける壮大な宇宙冒険ともいえる調査、

仮に人類が住める惑星が見つかったとしても全人類がそこに移住できるか?って言われれればノアの箱舟的宇宙船を作れる技術は無い。

それでも人が住める惑星が見つかれば人類は滅亡しない、自分はそこに行けないかも知れないけど人類といった種族で考えれば子孫繁栄的な考え方で希望ってやつが見えてくるってもんです。

映画インターステラーの見せ方としては主人公がパパ、娘がいる、娘のためにも何とかしたい、それは人類という種族が滅亡せずに未来への希望…. 

インターステラーはパニック映画の要素を含みながらハードSF(科学的知見や科学的論理をメインにしたSF作品)なので面白いとも言えるしメンドクサイとも言える部分。

時間の概念、重力って何?

映画インターステラーを見終った後はどうしてもネット検索を行わずにいられない部分がある映画。

検索する内容は「重力」「時間」「タイムスリップ」「ブラックホール」「ワームホール」といったもの、そこで知りたい答えとは映画内で突っ込んで説明できない部分だったり映画で分からなかった部分の知識を埋めるため….だと思います。

私もインターステラーを見終ったあとはもう検索しまくり、そして映画の鍵となる重力について知りたくなりまくるのです。

しかしこの重力ってヤツがかなり厄介な力、重力とは人間にとって日常的な力であり生まれた時から感じる力、とても重要な力になります。

しかしインターステラーは映画内においての重力解説、日常的に感じる重力の解説では全く追いつきません。

そもそも重力とは何なのか?から入る必要があり、検索すればするほど量子力学的、学術的な記事を読む必要が出てくるもの、そこにはエーテルなんて単語が出てきたりもっと突き進むと重力子なんて単語だ出て来ちゃったり….

そうなってくるともはや重力とは?だけに収まらず、アインシュタインの一般相対性理論を知りたくなってくるというもの。

アインシュタインさんは「重力は時空の歪みである」なんて表現をなさっていますよ、そんなの日常的に感じる重力とは全然違うヤツ!

でもインターステラー的には一般相対性理論を用いた重力論がしっくりくるわけで、しかもインターステラー的にはそれが検索して知りたかった答えってんだからメンドクサイ。

でもインターステラーという映画の描写は一般相対性理論だけでは何か足りない…もっとこう分かりたい!となると質量とか素粒子を知りたくなってくる….

この辺の話になると「じゃあそんな宇宙の法則ってなんなの?」と言いたくなるし、

もっと言えば「宇宙の法則って誰が作ったの?」といった創造主の話にもなりかねないってもんです。

なぜこのように深々と検索の旅を行ってしまうかと言えば映画で説明しきれない部分がありすぎるから。

これは「相対性理論によるウラシマ効果を利用した時間差」の部分にあたります。

映画でも一応は解説するけど映画内で何も分からない初見視聴者にマジで納得させるのって無理ですもんね、だから「インターステラーを見る前の予備知識」なんてネット記事が存在するわけなのです。

映画インターステラーとは実にメンドクサイ映画です。

覚悟を決めてみる映画といった考え方

インターステラーは長いし予備知識なしで観るとその後に検索地獄になる、覚悟を決めてみたほうが納得度が高いと思います。

こんな風に映画の感想や評価をすると「メンドクさそうな映画だし観るのやめたわwww」となりがち、それでも私はインターステラーをみることをおすすめしますよ。

なぜなら我々は人間だから。

地球で生きる生命体として、子孫を考えて、宇宙の「なぜ?」を知りたいから。

つまり人間としてとても単純な動機こそが映画インターステラーの本質であると思っています。

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