零細企業向けのサーマルプリンターを使った設備投資を少々書いていきます。
小売店の清算時に発行するレシート、POS機能が付いたレジを使っている店舗だとオリジナルのレシートを作ったりして活用している事でしょう、POSレジではない普通のレジスターな場合はどこにでもある一般的なレシートですね。
では現在発行しているレシートに満足しているかどうか?
完全に満足している人は案外少ないのではないかと思っておりまして、出来ればレシートのデザインを変えたい、しかしそれにはお金がかかる…
じゃあ自分で好きなようにレシートのフォーマットを作ってしまえ、何ならキャンペーン情報や割引情報なんかも載せちゃえ…!なんて事もサーマルプリンターを使って可能です。
オリジナルの自前レシートの満足度
この記事を読む方は小規模小売店の経営者などではないかと思いますが、先ずは現状発行しているレシートに満足しているかどうか?によって今後の考え方が変わってきます。
「POSレジを導入したいけど費用がね…」
「POSレジ使ってるけど古いし保守費用が…」
なんて考えてる方にも一考して頂けるかも?なんて思ってます。
サーマルプリンターで自分で考えたレシートを発行する…
簡単な売上計算レジや、設定が貧弱なPOSレジなどでは自分がゼロから考えたデザインのレシートを印刷することは難しい課題です。
でもWindows PCとサーマルプリンターさえあれば簡単なものなら数分で作成可能、
簡単な作成方法はとりあえずエクセルで作ってみるのが早いです。
出来れば簡単な商品リストを作成してからVLOOKUP関数を使って単純なレシートをテスト作成になります。
VLOOKUP関数の使い方はこちら
分からなければ単純な計算式で作ってみてもOKで、実際に作ってみる事により自分の求めるレシート内容が分かりサーマル用紙の幅も決まってきます。
こういうテストもサーマルプリンターが手元にあってこそですね。
先が見えてくるのでやる気も起きます。
2台目が欲しくなる、出来れば3台欲しいかも
エクセル等でのテスト作成が終わると、レジ機能として次はジャーナルが欲しくなってきます。
ここで問題発生、
「あれ?もう一台必要かも…」になります。
しかし記録行為はPCで管理するとなればジャーナルは必要ないもと言えますので、この時点でのもう一台購入は一度立ち止まるべきで、自分のPCスキルを見直す必要が出てきます。
例えばジャーナルのような記録を積み重ねよと思うと、そのデータ管理はエクセルだと厳しいものがあります。
まあ一応エクセルでも可能ですが、ここまでくるとデータベースのほうが圧倒的有利になりデータベースソフトの活用がテーマになる。
となれば次に必要になるアイテムはマイクロソフトのアクセスといったデータベース作成ソフト(データベース作成アプリ)になります。
別にアクセスでなくても良いのですが、小規模小売店には初心者でも比較的簡単に使えるアクセスが良いのは間違いありません。
このブログでデータベースの説明をしてしまうと収まりきらない内容になってしますね….まあ小規模な小売店においてアクセスで出来る事を超簡単に説明するとPOSレジそのものになります、それも自社の業務内容に完璧に合致するPOS。
….自分で作るのだから当たり前ですね。
例えば、A商品が入荷する
- 仕入れ値、売価、分類、商品番号等の入力
- 実際に売上を立てる
- レシート発行
- キャッシュドロアオープン
- 当日の売上明細や粗利などの帳票を出す。
といった流れのソフトを自分で作るという事になります。
A商品についての情報量や顧客情報、売上情報等が多ければ多いほど自分が見たかった帳票が完成します。
マイクロソフトアクセスはエクセルのような縦横計算とは違った使い方になるので多少敷居は高いですが、初心者でもビジュアル的にデータベースが作れてしまうのが魅力です。
小売店を経営されてる方ならば身に着けておきたいスキルですね。
マイクロソフトアクセス等をある程度使ってる方はこの項目にたどり着いてしまう事でしょう、もう自前POSレジのソフト側の目処はたってる方ではないかと。
そうなると今後必要になってくる機器も明白になっており、まずはキャッシュドロアではないかと思います、それもWindows環境で動作するドロア。
こちらもサーマルプリンター同様に家電量販店では扱ってません。
業者でない限りはネットで買うしかないと思われます。
※現物を見て買える場所もありますが、店舗ではなくそういう機器のパッケージを扱うような会社で○○ビルの4階みたいな感じの場所もあります。
例えばテクノベインズ株式会社がそのような雰囲気の会社、店舗というよりはショールーム兼オフィスのような場所です。
実際に訪れて現物を現金で購入する事も可能でした。
ただ、このような会社にエンドユーザーが訪れる事は少ない…多分殆ど無いと思われます。事前に連絡を入れておいたほうが良い。
初心者はサーマルプリンターと連動させるタイプのものは勿論ですが、USB接続も可能なタイプが良いと思います。
次に欲しくなるのがバーコードキャナー(バーコードリーダーorハンドスキャナー)で、これはバーコードを読み取る機器です。
カードリーダーについてはマイクロソフトアクセスやデータベースの動作をほぼ理解している必要がありますので、私がこのブログで説明するまでもなく買う人は買うでしょう。
自分で印刷したバーコートシールを商品に貼り付け単品管理
小規模小売店が小額の設備投資で最終的に目指す場所はここになります、いってみれば完全自前のPOSレジ。
しかしバーコードという超えなければならない壁がありますし、ここでつまずいてしまう人も多いはず…それは一気に業務用っぽくなるからですね。
すでにサーマルプリンターは持っている方はですね、今一度ご自信の機器にアイマーク判別機能が付いているかの確認が必要になります。
アイマーク機能が無くても現物あわせで何とかなってしまいますが、印刷位置のズレが気になるはずですので、アイマーク機能付きのサーマルプリンターをもう一台… と一考したほうが良いかもしれません。
アイマーク機能とはサーマルラベルロール紙の裏に黒い印字がしており、ラベルシールの頭出しが出来る機能。レシートのような情報量によって印刷物の長さか変化するような使い方のサーマルプリンターには必要が無い。
一つの壁と思われるバーコード発行、しかしこれも仕組みを理解してしまえばそれほど難しいものではありません。
先ずはエクセル2013で画面にバーコードを表示させてみます。
リボンから「開発」→「挿入」→ActiveXコントロール「コントロールの選択」をクリック→コントロールの選択ダイアログボックス→「Microsoft BarCode Control 15.0」を選択→シートにドラッグでサンプルバーコードが貼り付けられます。
QRコードも作れるので、この際だから自社サイトのQRも作ってレシートにつけちゃいましょう
このままでは中身の無いバーコードになりますので、バーコードのプロパティから「LinkedCell」の項目を選択し、バーコードの中身となるセルを決めます(例えばA1やB1)。決めたセルに13桁で任意の数字を入力しましょう、
例えば2017050100001でセルのプロパティは文字(これは例えばの文字でこういたフォーマットでバーコートを作り数字も印刷ししまうと詳しい人にはもろバレ)
これで中身のあるバーコードが完成します。
作成したバーコードをサーマルで直ぐ印刷して、それをエクセルの入力画面でバーコードリーダーにより読み取るとピピっといた音と同時に先ほどの数字が入力され、セルが一つ動きます。
※画面上のバーコードを読めるスキャナーは普通のスキャナーではありません。画面上のバーコードを読むことは可能ですが、対応したハンドスキャナーはまだ高価
これはバーコードハンドスキャナーの特徴で「一つ読み取る」→「Enter」を行う機器なんですね。
しかし中古品などではハンドスキャナー本体に違う設定が施されているものもあります、例えば読み取りの際は13桁の数字を読むが、入力の際は先頭にAの文字を入れる… といった仕様の物もあります。
慣れている方であればソフト側をリーダー側に合わせて使っちゃえますが、それにはVBA等の知識が必要になります。
….とはいってどのみちVBAの知識は必要になるので、事項で少し触れます
バーコードスキャナー(ハンドスキャナー)
エクセルで単純に作成したバーコード…
これは完成品とは呼べないバーコードになります。
一応使えてしまうので「最悪手打ちでもいいし、これでいっか…」の人もいるでしょうが、それは自分で作ったソフトを自分で使うから言えるセリフなので他人には通用しません。
この辺がPOSレジメーカーの作る一体品の良いとこで、
「使い方さえ覚えれば誰でも使える」になります…ただし費用が(笑) これについてはもう語る必要もないですね。
ではバーコードを完成にするとはどういう事かと言えば、チェックデジットを付ける作業です。
コレが無いと正確な読み取りが出来ない場合があります。
….と、難しそうな事を言ってますが、簡単な話で13桁の数字の最後の数字を計算式に当てはめて出すだけなので個人ユーザーレベルで考える事は自社のバーコード番号を12桁で考えるだけ。
その12桁を計算式に当てはめて出た数字を12桁の最後にくっつけて13桁バーコードの完成となります。
本当はJAN13桁コードの説明になってしまい、更に細かい事を言えば卸業者の場合だと決まった品目ルールがあったりもするのですが、初心者の場合は先ずはバーコード完成を目指しましょう。
エクセルを用いた一番簡単な方法がこちらのサイトに掲載されてますので、コピペして試して見ましょう。5分と掛からない作業です。
他にもインターネットでチェックデジットを検索すれば方法はいくらでも出てきます。コピペして簡単に使える。
簡単に作成できたチェックデジット、計算式さえ分かっていればあとの流用は簡単ですからアクセスにも流用しましょう。
しかしここでつまずくポイントがありまして、作成された13桁のJANコードのままテーブルで使う、それとも自社が使う部分だけ使うかによって作り方が変わってきます。
そこで、バーコードスキャナーによる読み取り時にVBAを使った簡単なテクニックを使った式があります。
- If Not IsNull([自社バーコード番号]) Then
- Dim a As String
- a = Mid([自社バーコード番号], 3, 7)
- [自社バーコード番号] = a
上記はVBAのバージョンによっては動かない事があるので手直しが必要かもしれませんが基本は同じ内容。
データ入力時、つまりハンドスキャナーによる読み取り項目で入力された値(例1234567890123)であれば左から三個目の文字から7個目の文字まで取れという意味になり、答えは3456789になります。
ちなみにこのブログで紹介しているJANコードの扱い方は小規模小売店といったクローズドな環境での扱い方になりますので、大規模な方は参考にしてはいけません ….というより正確にはJANコードの付け方は決まっているのでそちらを参照ということですね。私もこの辺は詳しくないので分かりません。
まあ大企業の商品にはJAN企業コード(9桁または7桁)+商品アイテムコード(3桁または5桁)+チェックディジット(1桁)がついてますから、小売店の場合は参考にするとよいかも知れませんね。
「自分で発行したバーコードを読み取って自分で管理する」
と言えばいかにも業務的で専門的のように思えますが、簡単に言ってしまうと自分で決めた数字を読み取るだけの作業….
ハッキリ言って数字を手打ち入力する行為と結果は変わりません。
その手打ち作業がメンドクサイ、誰がやってもミスがなく同じ入力結果になる…というのがバーコドであり、バーコートリーダーの役割になります。
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