「最近のグーグルなんか変じゃね?」
そう語るのは複数ブログを運営する副業ブロガーの岩田夢雲さん(仮名40代)だ。
岩田さんによると最近のグーグル検索は何かおかしい、検索して最初に出てるくるのは広告なのかオーガニック検索結果なのか分かりにくい。
分かりにくい検索上位表示を飛ばして下までスクロールして表示されるのは企業の公式サイトばかり、これでは検索エンジンとしてユーザーファーストではない。
さらに岩田さんはスマホで見るグーグルのおすすめ記事群”ディスカバー”にも不満を募らせている。
「主語が大きいタイトルで中身がスカスカの記事や”続きを読む”を探すところから始める記事はユーザーファーストじゃない」
社会のインフラといっても過言ではないほど生活に密着するほどまで発展したグーグルのサービス、その中でもグーグルの土台になる検索結果は人々の生活に大きな影響を与えるもの、公平性や信憑性について今一度考えてみる時かもしれない。
良いときは月間50万PVを記録
複数のブログを運営する岩田さん、近年のうちブログ運営で最も成績がよかった時期が2019年1月~3月になり運営ブログの総PV数は月間50万PVを越えていたという。
その時の収益はPV単価1円前後、単純計算しても月に50万円の収益があったと聞くと副業ブロガーでそこまで稼げるものかと驚きを隠せない人も多いだろう。
しかし順調に見えた岩田さんのブログ運営はある時を境に一気に転落した。
歯車が狂い始めた2019年3月のコアアルゴリズムアップデート
岩田さんの運営ブログに異変が起きたのは2019年の3月中旬、この時期に何が起きたか分かる人はそれなりのブログ運営スキルを持つ経験者だろう、
グーグルのコアアルゴリズムアップデートが行われ検索順位結果が大きく変動したのだ。
「毎日1000PV単位で下がって落ち着いた頃は全盛期の半分以下に、地獄だった」
2019年3月のコアアルゴリズムアップデートは岩田さんの運営するブログを直撃、それまで1日1万PV以上あった数字が連日1000PV単位で下落。
数字の下落が止まって平行線になり始めた頃には全盛期の半分以下のPV数になってしまったという。
これは岩田さんだけに限った話ではなくブロガーやアフィリエイター全体に激震が走った時期、中にはブログ・サイト運営を諦めて情報商材ビジネスの道に進んだブロガーやアフィリエイターも多く存在する。
消費増税により本業の業績が悪化、アフィリエイトで巻き返しを狙う
2019年3月のコアアルゴリズムアップデートで検索順位を大きく落とした岩田さんの複数ブログ、それでも岩田さんは新記事投入とリライトの手を休めることはなかったと語る。
「今まで通りやっていたら消費増税後に本業が傾く、それまでにブログで何とか成果を…」
岩田さんは副業ブロガーだが同時に会社の経営者だ、しかし本業である会社の業績は良いとはいえない状態が続いていたという。
さらに2019年の消費増税後に景気の悪化が深刻化すると予測していた岩田さんはブログで全盛期までの復活は無理だとしても半分ぐらいまでは何とかしたいと考え、ひたすらブログに向き合ったという。
「壊れたから同じキーボード買ったんすよ、コレじゃないと指が進まなくて…」
疲れた顔でキーボードを叩く岩田さん、それでも思うような結果はまだ実現できていないと語る。
グーグル検索の上位表示が広告かオーガニック検索結果か分かりにくくなった
最近のグーグル検索における上位表示について大きな変化があったことを知っているだろうか?
要は今までのグーグル検索結果は広告は広告と一発で分かるように色分けされていたが仕様変更により色分けが無くなり広告には「AD」の文字が小さく表示されるようになったのだ。
各所から非難の声とあるが岩田さんも同様に非難の声を上げている
「これじゃ検索上位結果をオーガニック検索結果と勘違いしてクリックしてしまう、物事を知りたくて検索した結果が広告でよいの?」
一般的にグーグル検索を行う場合は検索を行う目的の為の手段が”検索”だろう、その目的は大まかに4つに分類される。
- 知る(knowクエリ)
- 行く(Goクエリ)
- する(Doクエリ)
- 買う(Buyクエリ)
ブロガーやアフィリエイターはこれらの目的クエリを考えて記事を書くのだが4つの大分類クエリに対する答えが広告だらけではユーザーファーストとは呼べないと岩田さんは声を震わせながら語る。
とはいってもグーグルは営利企業だ、ボランティアでサービスを提供しているわけではないからある程度までは広告も許容できる。
しかし広告とオーガニック検索が分かりにくい、広告が主体の検索結果とユーザーに感じさせてしまうとグーグル検索離れが起きる可能性もある。
それは若い世代ほど現れておりSNSによる検索で判断する層が増えてきている。
ググって出て来るのは企業サイトと広告サイトばかり
「グーグル検索表示に不満があるのは広告だけじゃない、どんなに密度の濃い記事を書いても企業公式サイトや大手サイトに勝てない」
岩田さんによると2019年3月のコアアルゴリズムアップデート以降、密度が濃く質の高い記事を書いても企業公式サイトや大手サイトに勝てない、
ニュースリリースを一早く分析して最初に記事にしても強ドメイン大手サイトの後発記事に抜かされてしまうと語る。
しかも大手サイトの後発記事、とくにニュースサイトの場合はニュースリリースを丸コピペした記事であるにも関わらず検索結果上位を独占。
これにより一つのニュースリリースを丸々コピペした同じ内容の記事がグーグル検索結果一ページ目を全て占領、そして検索上位は広告…と誰が得をするの?と言いたくなる状況も発生している。
いや、広告主がいるのだから得をする存在はあるし、大手企業のニュースリリースにより同じ内容の商用ワードを用いた記事が検索一ページ目を独占してしまえばニュースリリースも効果的だろう、
さらにニュースリリース元がリスティング広告を行えばグーグルの検索上位から1ページ丸ごと占領してしまう事も可能かもしれない。
こうなると検索結果の多様性がなくなり、ユーザーとしてもグーグル検索から離れてしまうのではないだろうか。
ディスカバーで表示される記事に不満
自分の運営するブログへの集客ルートは何もグーグル検索だけではない。
2019にはグーグルのおすすめ記事サービス「ディスカバー」がユーザーの知りたい事、興味がありそうな事を分析してユーザーの検索やスマホ等に表示。
このディスカバーによるユーザーの流入数は多きな数字となることもブロガー、アフィリエイターの中で話題になった。
「グーグル砲で1日のPV数が5万PVを越えたこともあるよ」
”グーグル砲”とはディスカバーの事、岩田さんもディスカバーに掲載された事により一日のPV数が5万越え、それも複数の記事が掲載され続け数日で20万PV以上ものアクセスがあった事を明かしてくれた。
こう聞くとディスカバーはブロガー・アフィリエイターにとって広告と企業公式サイトと大手サイトで埋め尽くされたグーグル検索結果以外からの流入と期待できる部分があるだろう。
それはディスカバーがユーザーの興味がありそうな事をしっかり把握しておすすめ表示している間は相乗効果が期待できる。
しかし岩田さんは嘆く。
「最近のディスカバーは主語が大きいタイトルで中身がスカスカの記事や”続きを読む”を探すところから始める記事はユーザーファーストじゃない」
岩田さんの意見は最近のディスカバーはかつてのまとめサイトのような主語が大きい記事タイトルで中身はツイッターを引用した中身のないスカスカ記事や、
読みたいと思ってクリックしたディスカーに表示された記事をみるとタイトルとは関係のない内容だらけ、タイトルの内容を見るには”続きを見る”をクリックしないと見れない、
むしろ”続きを見る”を目で探したほうが早い、その先にある記事に「この先は有料会員登録」があるとがっくりする…と岩田さんは嘆いている。
SNSで検索を行うことが多くなる
最近のグーグルは何かへんじゃね?と考えていた岩田さんは、検索を行う際にグーグル検索ではなくSNSによる検索を行うようになったと語る。
中でもよく使うSNSがツイッターとインスタグラム、ハッシュタグを付けて検索する場合もあれば、ツイッターでハッシュタグ無し検索、それにより本来の検索意図とは異なるものの生会話の情報を知ることが出来る、
そこからキーワードを変えてSNSで深堀り検索をしていくと遠回りだけど本来知りたかった情報に辿りつけるスピードがグーグル検索よりも早い場合がある。
岩田さんは少し目を輝かせながら語った。
ただしツイッターによる情報収集はグーグル検索よりも使いこなすのが難しい、個人のつぶやきなので信頼性が無いものも多くデマもある。
それでも慣れてくると一つのキーワードに対する評価や情報の統一性がぼんやり見えてくる、広告や企業公式サイトと個人のつぶやきのどちらに信頼性や権威性があるか?と聞かれれば難しいが…一見するとバカっぽい表情の岩田さんが最後に難しい表情をしながら語った時だった。
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